こんにちは、田中伊佐久です。
私のコラム掲載第2回は、子供と社会や他者との関わりについて、実際に娘さんを育てておられるお母様「さおりさん」との対談を掲載致します。

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さおり:子供が知らない人に会うと、真顔になってしまい愛嬌がゼロなんです。人見知りというか、知らない人とはしゃべられないんですよ。

伊佐久:愛想が悪いことが問題で、愛想よくしたいのですね?あなたの理想形は、誰かに話しかけられたらにこにこ笑って、質問に答えてもらいたいと思っているのですね?

さおり:そうです。

伊佐久:その考えがもうすでに間違ってます。なぜかなぜかというとね。そもそもですよ。要は生物というもの、たとえば魚類は多産なのは、魚が1番卵を食べられてしまうと、そういう訳ですよ。子供っていうのが一番食べられやすいのね。そもそも生物の中では。で、それを守るためにどうするかっていう話になるんですね。そこで、からの付いた卵っていうのが発明されたわけね。爬虫類とか。殻があるでしょ?殻があるから食べにくいわけね。割らないと食べられないとか。
でも割ってしまったらいい訳だし、なんなら持って帰ったらなんとでもできるよね。たとえば木の上から落としても割ることできるし。それで次に、どうしたらいいかっていうので、哺乳類になると胎盤というものを発明したんです。卵で産んで孵すのではなく、
卵というか受精卵を自分の中の臓器に入れて育てるという方法を発明したと、そういう訳ですよ。

さおり:そのような流れで発明されたのですね。

伊佐久:そうすると、まあ食べられる確率はドンと減る。そういう戦略が重なっていったけれど、それでも馬とか牛とか子牛は食べられちゃうよね。やっぱりライオンとか肉食動物にね。それで、動物はその後どうしたかっていうと、犬とかもそうなんだけど、可愛く見せるっていうことを発明したの。犬とかかわいいでしょ?子犬とか子猫とか。

さおり:かわいですね~!

伊佐久:可愛く見せる、可愛く見えるっていう考えを刷り込ませたというか進化させた、これが哺乳類からです。たとえば、昆虫などはその機能がないから、何考えてるかというと、目の前に小さい幼虫がいたら、これは食べやすいからすぐ食べてしまうわけですね。
もっと言うとカマキリは相手が大きくても食べるわけです。哺乳類は食べられないように、可愛く見せるっていうことを発達させたのです。そうしたら可愛いという感情が沸いて食べたくなくなるわけです。そこでガードされているようなもんですね。ということで、そのにっこり笑うっていうのは子どもの特性だから、それは良いということですね。半面、知能が発達していってもギャーギャー・ピーピーなかれたら余計に食べられる確率は増えていきますよね。静かな草原の中で、子どもの声がピーピー聞こえたらそこにえさがあるって食べられちゃうじゃない?
だから黙っているのが基本なんです。

さおり:なるほど。身を守っているのですね。

伊佐久:喋らないで表情だけで食べさせないという戦略なんです。だから、あなたの子どもは正しいことをやっているのです。極めて正しいこと。5億年続けてきたことをやっているわけです

さおり:なるほど。正しいことをしているのですね。

伊佐久:だから、親がそれを怒ってはだめです。 せっかく正しいことをしているのだからね。

さおり:私が間違えているのですね。

伊佐久:人間界になってから連れ去りとかあるでしょ?だから逆にそっちを教えないといけないということ。こういうケースは車に乗ったらダメですよ!とかいうことは、更に教えないといけないけど。その逆を教えてはだめですね。あなたは間違っているよ。

さおり:私は反対を言ってしまっているんですね。

伊佐久:じゃあどうしたらいいかって言うとチンパンジーとかの猿など進化した哺乳類はファミリーで生活するでしょう?牛とかもみんな家族を持って、ファミリーで族で、一族で移動したりするよね?その中だったら結構楽しそうにしてるよねっていうことがあるわけです。親が子供にそれを教えたらいい。この人は俺の家族と一緒なんだとか。そうしたら心を開くわけです。そういうように持って行かないといけないのです。

さおり:なるほど。

伊佐久:喋りなさい!っていうからだめなのであって、この人は家族ぐるみで、もう家族と一緒だと、兄弟と一緒だと言えば、だんだん安心してしゃべるようになります。そういうことなんですよ。

さおり:すごく納得しました。なるほど~!
ありがとうございました。

~聞き手の感想~

子どもは子どもとして本来あるべき行動をとっているということがよくわかり、大人が愛嬌よく接して欲しいと思う面もあるけれど、そこは子どもに強要するのではなくて、親がこの人たちは、仲間なんだよって、安心させてあげることに重きを置かないといけないなと、とても強く思いました。とても納得できる内容で、勉強になりました。

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